麻布十番に住んで1年が経ちました。去る前に知っておいた方が良いルールをまとめさせてください。
こんにちは。仕事を休み始めて早3週間。もう曜日感覚が消えつつあります。土日や連休の有り難みが全く感じられなくなったこの怠惰な体を、今後社会へ再度の馴染ませるにはどうしたら良いんだろうと思う今日この頃です。つい先日まで何も感じずに歩いていた大手町という場所が、何も仕事がないニートからすると本当に堅苦しいなと感じます。前職周辺にはなるべく近づきたくないのですが、実は通っている歯医者がオフィスビルの地下にありまして。一時的な利便性を優先してしまった挙句、今になって苦しい体験を強いられるという悲しい有様なんです。ただ逆に、週末は絶対に丸の内・大手町に近づかないようにしていた緊張感が解け、いつ行っても別に問題ないようになりました。アレルギー反応の克服ですね。次に行く場所はそもそも国外ですし、この街とも暫くおさらばか…と少し寂しい気持ちもあるんですが、まあいつでも来れるし特に思い入れもないですね。今回の退職は、表面上「突然の自己都合による退職」で片付けられますが、私から言わせると「計画的脱出」だったわけなので、もうこの街で特に用がないことがある意味嬉しくもあります。
さて、街といえば私の住む街、麻布ともお別れになってしまうのは寂しい限りです (古巣の日本橋兜町や木場ももちろん寂しいですよ!???)。この街はどういう人を育てたいのか─ 私は日常を通して街の文化を考え巡らすことがよくあります。特に東京は街の雰囲気、仰々しく言うと文化が、地域によってはっきりと色が出ている都市だと感じます。麻布十番、通称「十番」に住んでまだ1年しか経っていないのですが、国外へ行ってしまう前に、私が感じ取った麻布文化を考察してまとめたいと思います。
1. 何麻布なのか正確に言う必要がある
麻布エリアの中心地は駅のある麻布十番なのですが、歩いている人たちは同エリアの住人がほとんどなので、どこに住んでいるのか聞かれるときは、基本的に麻布エリアに住んでいる前提で詳細な場所を聞かれることが多いです。そして麻布エリアにも色々ヒエラルキーがございまして。Tier1は広尾に近い西麻布、元麻布、Tier2がそれ以外といった具合でしょうか。有名な経営者の住宅が立ち並ぶ元麻布は、豪邸を外から見るだけでもエキサイティングな街でもあります。西麻布は芸能人が多く住むマンションが多いイメージです。庶民は基本的に坂の下のエリア、十番、東麻布、南麻布が多いです。私もこの庶民エリアに住まわせてもらっています。それでも家賃がバカ高いんですけど、閑静な住宅街でありながら、美味しい飲食店が近いという点では非常に住みやすくて好きです。また東京に戻ることがあれば、麻布に住みたいなと思います。こういった土地の階層がはっきりしているので、最近はもはや聞かなくても雰囲気だけでどのエリアに住んでいるのか人を見定めることができるようになってきました。麻布病ですね。とりあえず、麻布のマダム界隈ではどこに住んでるかの話題は頻出テーマですので、聞かれたら変に「この辺です」とか誤魔化さずに、どこのエリアなのか表明しないと会話が続かないことに注意する必要があります。庶民エリアでも別に見下されることは無く、どのお店が美味しいかとか有益情報をもらえることがあるので、怖がる必要は全くなさそうです。
2. 坂の名前を覚える必要がある
麻布といえば坂です。沢山の坂が存在しており、大体の場所は坂名をいえば説明できます。例えば人にお店の場所を聞くと、高確率で坂の名前を言われますので、坂の名前はまず最初に覚えた方がいい情報です。このエリアに住む人は昔から住んでる人が多いので、郷に入れば郷に従えで、坂の名前を覚えて会話ができるようになる必要があります。少なくとも自分の居住地域の周りの坂名だけでも覚えないと恥ずかしい思いをします。タクシーの運転手も大体は坂の名前を覚えているので、覚えていて実際に自分が使うこともあります。坂で道を説明できるようになったら、立派な麻布住民です。
3. コミュニティーを広げるにはジムに行け
私はよく近所の人と交流するにはバーに行くのですが、飲食店って麻布エリア以外から来た人も多くいますし、私の行きつけのバーは麻布住人が多くいますけど、なんせマダムが多く集まる場所なので、若者と交流するには結局ジムしかないのだなと最近になって気づきました。ジムは街に腐るほど存在しています。多分、街ですれ違って出会った若者たちは、どこのジムに行っているのか情報交換をして交流してるんでしょうね。そして勿論、ジム内のコミュニティーが活発な印象を受けます。ジムの建物自体、もはや内部を少し見せてアピールするような造りをしています。そして、他の地域だと宣伝文句が「健康第一!」みたいな感じが普通だと思いますが、麻布のジムは「楽しい!継続!結果!」みたいなフレーズをよく見かけます。とにかく、とても若いんです。
私はそもそもジムが嫌いなので大学生で通っていたきり全く行かなくなったのですが、1番嫌なのが衛生面と、面倒なコミュニケーションです。通っていたジムだけなのかもしれませんが、大体ジムのトレーナーにプライベートの誘いを受けたり、ゴリゴリマッチョ系のお客さんから体型管理の品定めされるように見られたり、なんと言っても人が集まって汗をかきに来ている時点で、もう私は行きたくないんです。自宅マンションのジムも全く使おうと思いません。なので大きな家にマシーンを置けるような財力を持つまで、私はトレーニングをしないつもりでいます。結局、若者コミュニティーが広がることなく、麻布ライフが終わってしまうことになりました。
一旦、以上が麻布文化のまとめですが、決してディスりをしているつもりはなく、むしろ皆さんに麻布の良さを伝えたつもりでいます。ぜひ機会があれば住んでみてください。とてもファンタスティックな街ですよ。
最後に、行きつけのバーで飲んだカクテルの写真を添えて終わります。モヒートと、シナモンスティックのやつです。最近忙しくて行けてませんが、Bar Dressさんには本当にお世話になりました。ヤクザみたいな大物経営者とか、元アイドルとか、業界の大師匠みたいな人とか、色んな重鎮が存在する個性的なバーですが、マスターも含めみなさん本当にいい人ばかりです。人生を前向きに頑張ってる人に会えます。ぜひ行ってみてください。私は「ぽん」とあだ名を付けられてるので、名前を出したらきっと分かると思います。
ではまた次回もお楽しみに。
外債セールス ぽん